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ゆうゆ
こんにちは、管理者のブルーです。
ペットショップに行くと、シニア用のキャットフードがたくさんの種類が販売されており、どれを選べば良いか迷いますよね。
そこで今回は、高齢な猫のキャットフードの選び方や与え方を猫ろん先生に聞いてみました。
目次
「猫ろん先生、よろしくお願いします!」
猫ろん先生
シニア猫といっても、体の変化は一頭一頭異なりますので、その猫に合わせたキャットフードを選んであげましょう。
高齢猫にはどんな餌を与えるべきなの?
キャットフードには、基本的にフードと水だけで猫の健康が維持できるよう、栄養成分が定められた『総合栄養食』と呼ばれるものがあります。
総合栄養食には、成長(仔猫)・繁殖期用や妊娠・授乳期用、成猫の維持期用のフードがあるのですが、実は高齢期用の総合栄養食には、定められた栄養成分の基準はありません。
仔猫や成猫は生理機能などが似ているため、必要な栄養成分の目安を設定することができます。
しかし、シニア猫は生理機能に様々な変化が見られますので、仔猫や成猫のように栄養成分の目安を設定することができないのです。
猫ろん先生
高齢用のキャットフードってどんな特徴があるの?
ゆうゆ
猫ろん先生
前述のとおり、キャットフードには『高齢用』の基準がないため、各ペットフードメーカーが独自で設計しています。
シニア用のキャットフードで最も一般的な特徴は、代謝が低下することによる摂取カロリーの調整と、慢性腎臓病に配慮されているという点です。
猫に限らず、高齢になると代謝能力が低下し、1日に消費する基礎代謝量が少なくなります。つまり、若い時と同じカロリーを摂取させるとカロリーオーバーになり、太りやすくなってしまいます。
ゆうゆ
また、高齢猫に最も多く見られる病気は『慢性腎臓病』です。
慢性腎臓病の猫は、リンを制限したキャットフードを食べさせることで延命効果が得られることがわかっていますので、シニア用のキャットフードでもリンを制限しているものが多いのです。
また、フードに含まれるタンパク質や塩分が腎臓に負担をかけてしまいますので、それらを制限しているものもあります。
猫ろん先生
また、シニア用のキャットフードは、カロリーや腎臓ケア以外に、関節ケアができるように設計されたものもあります。
シニア猫には、関節に問題を抱えている猫が多いのです。そのため、フードにコンドロイチンやグルコサミンを配合することで、関節保護効果を期待することができます。
猫ろん先生
最近の研究で、体に発生する過剰な酸化物質が、老化はもちろん、ガンや慢性病にも深く関わっていることが分かってきました。抗酸化成分を摂取することで、酸化物質による悪影響を軽減できる可能性があります。
ただし、これらはあくまでメーカーが独自に設計していますので、フードを与えるだけで腎臓ケアや関節ケアなどの効果が得られるかどうかは検証されていない場合もあります。
成猫用のキャットフードからシニア用に切り替えるタイミングは?
ゆうゆ
これは、実際の動物病院での診療でも非常に多くいただく質問です。
実はシニア用のフードに切り替えるタイミングに、年齢はあまり関係ありません。年齢で判断するのではなく、体に機能的な変化が見られた時に切り替えることが重要です。
機能的な変化といってもなかなか見た目ではわからないので、定期的な健康診断を行ったのち、変化が見られた段階でシニア用に切り替えることをおすすめしています。
人間と同じように、高齢な猫でも何ら異常なく元気に過ごす子もいれば、慢性腎臓病や関節炎などの持病を抱える子もいます。
シニア用のキャットフードは、それぞれ猫の体調変化に合わせて設計されていますが、その体調の変化が現れる時期は一頭一頭異なります。
猫ろん先生
例えば動きが活発な高齢猫に、カロリーを制限したキャットフードを与え続けると、どんどんと体重が減ってしまうこともあります。
シニア用キャットフードでも、総合栄養食の基準を満たしているものを選べば健康被害が出ることはありませんが、健康な猫には高齢であっても、ある程度タンパク質を与えた方が良いと考えます。
また、慢性腎臓病の猫に配慮した設計のシニア用フードは、ほとんどの場合でリンを制限していますが、リンは肉類に多く含まれています。
つまり、リンを制限したキャットフードは必然的に肉類も制限することになり、その分の栄養バランスを整えるために、植物性原材料が多く使用されています。
元々は肉食である猫には、なるべく動物性原材料が豊富なキャットフードを与えたいところですので、健康で活発な猫にシニア用フードを与える必要はありません。
『シニア』と一括りにしても、実は一頭一頭体の変化が異なります。
単に年齢でフードを切り替えるのではなく、それぞれの猫の健康状態を確認し、体調に合わせたフードを選んであげるようにしてください。
特に慢性腎臓病は、初期の段階では見た目に異常が見られず、気付かずに過ごしてしまうことがほとんどです。
慢性腎臓病は、しっかりと食事管理をすることで延命効果が得られるという研究結果もありますので、元気であっても定期的な健康診断を行いましょう。
そして、早期発見に努めて、相性の良いキャットフードを選んであげることが大切なことだと考えます。
オールステージのキャットフードをシニア猫に与える時の注意点は?
ゆうゆ
オールステージ対応のキャットフードを与える時は、以下の点を確認しましょう。
- 肥満の有無
- 慢性腎臓病の有無
総合栄養食には、『成長・繁殖期用、妊娠・授乳期用』と『成猫・維持期用』の2種類があります。
オールステージ対応のキャットフードとは、どちらの栄養基準も満たしているため、どの年齢の猫にでも食べさせることができるフードです。
しかし、一般的には、成長・繁殖期用や妊娠・授乳期用のキャットフードの方が、成猫・維持期用に比べて、カロリーやタンパク質の割合が高く設計されています。
そのため、若い時よりも基礎代謝量が減ってきているシニア猫は、オールステージのキャットフードはカロリーオーバーになりやすく、肥満のリスクが高くなります。
さらに、慢性腎臓病の猫に高タンパクなキャットフードを与えると腎臓に負担をかける可能性がありますので、オールステージのキャットフードは避けた方が良いでしょう。
もちろん、シニア猫の中にも健康上問題なく、元気に過ごしている猫もたくさんいます。そういった猫は、オールステージ対応のキャットフードでも問題ありません。
猫ろん先生
シニア猫がキャットフードを食べてくれない場合はどうすれば良い?
ゆうゆ
シニア猫がキャットフードを食べてくれない理由はいくつかあり、代表的なものは以下の通りです。
- 隠れた病気のせいで食欲が落ちている
- なんらかの理由でそのキャットフードが体質に合わず、本能的に避けている
- 食べ慣れたもの以外を嫌って警戒している
シニア猫がキャットフードを食べてくれないときは、これらの理由を疑い、それに合わせた対応をするようにしてください。
まず、病気のせいで食欲が落ちている場合は、キャットフードの種類を変えたりするのではなく、なるべく早く動物病院を受診するようにしてください。
特に高齢猫の病気は、慢性腎臓病やがんなど治らない病気が多く、早期発見することで猫が苦しむ前に治療することができます。逆に様子を見ることで、命に関わる状況に陥ることもありますので注意が必要です。
また、猫がフードの前でじっとしていて「食べたそうにしているけど食べない」といったときは、歯周病や口内炎など口の中に問題を抱えていることがあります。
歯周病は成猫の90%以上に見られる病気で、軽度であれば食欲が落ちることはあまりありませんが、重度になると痛みのために「食欲はあるけど、口の中が痛くて食べられない」という状況になります。
猫ろん先生
次に、なんらかの体質が原因で、キャットフードが合わず食べたがらないケースについてです。
原因ははっきりとわかりませんが、健康上何も問題がない猫が、特定のキャットフードを食べたがらなくなり、無理に食べさせていると吐いたり、毛艶が悪くなってしまうといった経験があります。
そういった場合、別のキャットフードに変更すると体調が改善します。
これは私の考えですが、恐らくキャットフードに含まれる特定のたんぱく質に対するアレルギー反応や、特定の油脂をうまく消化吸収できていない、あるいはドライフードをしっかりと消化できないことが原因なのではないかと思います。
さらに、キャットフードの粒の形状による食べやすさも異なりますので、食べづらい形状の粒だと、積極的に食べたがらない猫もいます。
こういったケースも、キャットフードを変更することをおすすめしています。
例えば、同じシニア用のフードでも、使われているたんぱく質や油脂類を別のものにすることで改善するケースが多いです。
しかし、同じキャットフードを食べ続けている猫に、突然別のフードを与えてしまうと、警戒して食べなくなることがあります。
こういったケースでも健康上は特に問題がないことが多いです。
一度食べ始めると、何事もなかったかのように食べ続けますので、慣れないものへの警戒心などが原因になっているかと考えています。
猫ろん先生
シニア猫にドライフードではなくウェットフードを与えるのはどんなとき?
歯周病や口内炎など、口の中にトラブルがあるときや、慢性的な持病を持っているとき、さらに嘔吐や下痢といった消化器症状があるときには、ウェットフードを与えることをおすすめしています。
ウェットフードはドライフードに比べて、水分が多い、消化性が高い、嗜好性が高いといった特徴があります。嗜好性は、ドライフードの方を好む猫もいますので、多少の個体差はあります。
歯周病や口内炎になると、固いものを口に含みたがらないので、ドライフードよりもウェットフードを好むことが多いです。
もちろんこういった場合、食べ物の工夫よりもしっかりと治療することが重要ですが、同時に栄養状態を改善させることも重要になります。
慢性的な持病を持つ猫は、食べ物の消化能力が落ちていることも多く、ドライフードよりは消化性の高いウェットフードでケアしてあげると良いでしょう。
猫ろん先生
ドライフードと一緒に水分を摂取するよりも、ウェットフードで摂取した方が、水分の吸収効率が良いと言われています。
そのため同じ食事量でも、ウェットフードの方がより効率的に水分を摂取することができるのです。
嘔吐や下痢といった消化器の症状がみられる場合は、やはり消化性の高いウェットフードで、胃腸への負担を減らしてあげましょう。
猫ろん先生
まず、一般的にウェットフードは動物性原材料が豊富で必然的にコストが高くなります。
中にはコストダウンするために結着剤など添加物が多く含まれているものもあり、そのようなものはなるべく避けたいところです。
ウェットフードは、新鮮な動物性原材料を使用している方が嗜好性も高いと言われていますので、なるべく原材料をチェックして選んであげると良いでしょう。
ただし、レトルトパウチのウェットフードの中には、総合栄養食でないものも多いため、主食として与える場合には、総合栄養食のウェットフードかどうかを確認することが重要です。
まとめ
今回はシニア猫のキャットフードについて紹介しました。シニアといっても、その健康状態は一頭一頭異なります。
また、シニア用のキャットフードも、メーカーによって様々な栄養設計の違いがあります。
愛猫にあったフードを選ぶためには、猫の体調がどのような状態なのか、きちんと健康診断などで把握することが大切です。
特にシニア猫に多く見られる慢性腎臓病は、見た目だけでは早期発見が難しい病気ですが、食事ケアで寿命を延ばすことができるため、なるべく早く診断ができるように定期的にチェックしていくことをお勧めします。
オールステージ対応のキャットフードやウェットタイプは、猫の健康状態によって与え方に注意が必要になります。
いずれにしても、高齢の猫は体調の変化を見逃さないようにし、一頭一頭の猫に合ったフードを選んであげることで、よりよいシニアライフを送れるようにしてあげてください。